デジタルサイネージ導入で悩む3つの問題
筆者はこれまでに多くのデジタルサイネージ案件のお仕事をさせていただいておりました。
そして様々なメーカーの製品を使用してシステム構築や運営に携わらせていただく中でこのように思っていました。
「お客様の要望を100パーセント実現できるシステムがあったらいいのになぁ。(低価格で)」
システム屋さんは共感いただけるかも知れません。サイネージに限った話ではないかと思いますが、特にそう感じることが多い気がします。
経験上、システム導入時に直面する問題点は3つあると考えます。
それは価格面・機能面・運用面です。
システム規模の大小や仕様面で差異はあるものの、概ね導入時に頭を悩ませるのはこの3点に集約されるのではないかと思います。
本記事では、これら3点の問題について詳しくご説明します。
問題① 価格面 ~デジタルサイネージは高い?~
理想に限りなく近づくためには大手メーカーのサイネージシステム・ソリューションを採用するのが一番近道であると思います。
豊富な機能と導入事例の多さ、ネームバリューからくる安心感など、多くの利点があります。
サポートも手厚く、月額制クラウド配信型のシステムだと24時間体制のサポートもあります。
しかし、潤沢な予算でハイスペックなシステムを導入できる案件なら良いでしょうが、恐らくほとんど(いやそれこそ100パーセント)の案件は当たり前ですが予算に限りがあります。
大手メーカーのシステムを採用となるとはやはりそれなりに高額となります。
採用したいシステムがその予算に収まらない場合、要求機能の優先度を洗い出し必要最低限のシステム構築を行います。
比較的小さな規模の案件ではよくある話ではないでしょうか。
中には残念なことにデジタルサイネージの採用自体を見合わせて、とりあえず代替の再生機で映像表示しておこう、と妥協してしまう場合もあるかも知れません。
ただ、現在は低価格で良いシステムもたくさん出てきていますので、デジタルサイネージがすべて高いという訳ではありませんのでご安心ください。
問題② 機能面 ~すべてを備えるシステムは存在しない?~
価格の問題をクリアしたとして、優先度の高い機能が付いているシステムを選定するのですが、以下のような場合が悩みの種になります。
・AのシステムはWiFiでの配信ができるがBはできない。
・BのシステムはPDFファイルに対応しているがAは対応していない。
両者とも必須の機能ではないのですが、「Wifi配信機能」と「PDFファイル対応機能」もできれば欲しいという場合があったとします。
予算を押さえて妥協しても、またここで取捨選択を迫られることになりました。
これはあくまで一例ですが同様の問題は必ず発生してしまいます。
デジタルサイネージという自由度の高いジャンルのシステムにおいて同じ機能が付いている保証は全くありません。たとえハイスペックなシステムであっても実はこの問題は意外とつきまとうのです。
冒頭の「 要望を100パーセント実現できるシステム 」の存在を切望する所以です。
この問題を解決する方法は採用したデジタルサイネージをカスタマイズすることですが、そのような要望にメーカーが応じてくれたとして、かつ高額であろうカスタマイズ費用を捻出できるかという予算の問題が再燃してしまいます。
解決法と言っておきながら申し訳ありませんがそれだけ難しい問題だと感じています。
問題③ 運用面 ~デジタルサイネージは難しい?~
最後に、運用面の問題があります。
デジタルサイネージを導入後、運用面で有効活用できていないことがあります。
これに関してはどのような原因が考えられるでしょうか?
操作をする担当者さんは他のメインの業務を持ちながら空いた時間を使って(なんとか時間を空けて)運用しているのが多いのではないでしょうか。
その場合、デジタルサイネージのソフトウェアの操作方法をマスターするのは結構大変だと思います。
メインの業務が忙しくなると、サイネージのコンテンツ配信が後回しとなります。
そうなると同じコンテンツをずっと変わらず放映し続ける、という現状になってしまいがちです。
せっかくのデジタルサイネージですので、旬の情報をこまめに更新して訴求効果をアップしたいとこですが、なかなか思い通りにはいかないようです。
だからといって担当者さんの業務兼任がすべての原因ではありません。複雑なソフトウェアの操作方法も原因のひとつと考えます。特に多機能なシステムであれば、たくさんのメニューの中から必要な操作方法をマニュアルとにらめっこしながら悪戦苦闘して調べます。
基本操作はどのメーカーのソフトウェアも似たようなモノで、それぞれ簡単操作できるよう工夫して作成していますが、多機能になるほど基本操作やメニューが他の機能に埋もれてしまいます。
このことが、デジタルサイネージは難しいと思わせてしまう大きな原因ではないでしょうか。
パソコンに強い、興味のある方であれば楽しみながらマスターするかも知れませんが、できればそれ以外の多くの人にも操作できるソフトウェアがあれば嬉しいですね。
何より運用面も考慮して必要な機能に絞ったたデジタルサイネージの選定を行うことで、ユーザーとシステムのミスマッチをある程度は防ぐことができると思います。
>>【失敗しない】デジタルサイネージの選び方とおすすめタイプ
まとめ
適正なシステムで強力なマーケティングツールに
デジタルサイネージ導入時におけるこれら3つの問題は、意外と適正なシステムが選ばれていないということが共通原因と考えられます。
「大は小を兼ねる」とはいえ、時にハイスペックで複雑なシステム仕様がネックとなる場合があることも意外と多いように思えます^^
逆もまた然りで、低価格という理由だけで安易に採用してしまうとまったく満足できないケースも考えられますのでご注意ください。
ここらへんのバランスを上手く取れることがデジタルサイネージ運用の成功のカギですね。
そうすれば非常に強力なデジタルマーケティングのツールとして活用いただけることでしょう。
適正なシステムを導入することができていればデジタルサイネージは決して敷居の高いものではないと思います。